在宅介護のメリットとデメリット
■メリット
住み慣れた場所でこれまでと同様、自分のペースで生活を送ることができます。家族や友人との関係も継続でき、寂しさ・孤独感を感じることは少ないです。
なお、デイサービスや訪問介護といったご自宅で利用できる介護保険サービスも多数存在しています。 必要な介護をすべて家族だけで行う必要はなく、自分たちでは難しい部分だけプロのスタッフに依頼することで、介護にかかる費用を抑えることもできます。最短1日から利用できる短期入所施設もあり、旅行や帰省、入院の時や介護の息抜きなどに使われています。
■デメリット
ご家族に介護の負担が集中しがちなため、最悪の場合、介護するご家族が倒れてしまうケースも少なくありません。また、家族の生活リズムが崩れたり、制限される可能性もあります。
また、住まいの造り等によっては不自由さを感じる場面も増えてくるため、リフォームが必要になる可能性があります。自分の家であるため、希望に合わせて自由に手直しできますが、その箇所が多いと予想外に支出が膨らむケースも。そのため、一概に在宅介護なら費用を抑えられるとはいえません。
施設介護のメリットとデメリット
■メリット
専門の介護スタッフがおり、確かな知識・技術に基づくサポートを受けることができます。介護の負担がご家族以外に分散されるという点は非常に大きなメリット。介護離職や介護うつなど、介護にまつわる様々な問題を防ぐことにつながります。
施設内はバリアフリーになっている等、介護に必要な環境や設備が整っています。そのため、介護度が高い方も、安全で快適な生活を送ることができます。 また、レクリエーションや季節行事などを通じて生活の質向上を図っている施設も多くあります。他の入居者との交流の機会にも恵まれ、心身両面での健康につながります。
■デメリット
生活環境が変わってしまうことに本人がストレスを感じ、慣れるまで時間がかかってしまうことは少なくありません。施設によりますが、決まったスケジュールに沿って生活を送る必要があり、食事の好き嫌いなどは考慮されないことが多いです。集団生活となるため、入居者同士のトラブルに出くわす可能性も少なからずあります。
また、必要な費用は在宅介護に比べて高くなる傾向にあります。毎月の費用に加え、入居時にまとまった費用の支払いが必要な施設もあります。中には比較的安い費用で入居できる施設もありますが、入居条件が厳しかったあり、入居待ちとなって いることも多く、申し込み後すぐに入居できないこともあります。
本人の意思を尊重した介護計画を
最初にお伝えしたとおり、介護には絶対的な正解はありません。
介護を受けるご本人の希望や身体状況、介護するご家族の事情や経済面を考慮し、その中でより良い選択ができることが望ましいです。そのためには本人が元気なうちから今後について話し合っておくことが大切です。
また、自宅で介護をする上で困ったことが出てきたり、介護に関する判断に迷った場合は、地域包括支援センターを相談してみましょう。本人の心身状態や家族の状況を把握し、必要な支援をご提案しますので、それを元に家族で話し合ってみるのも一つの手です。