看取りと介護施設


これまで日本では、死が近づいた高齢者に対して
回復の見込みが無くても延命治療が行われてきました。

しかし近年では、無理な延命を本人もご家族も望まず、慣れ親しんだ場所で心穏やかに
最期のときを迎えたいと希望するケースが増えています。

また、その方の意思を尊重しつつ、最期まで日常生活をサポートする
『看取り介護』を行う介護施設も拡大しています。

看取りが行われる場所

看取りの場所は、厚生労働省の発表によると病院が約77%、自宅が約13%、
老人ホーム・介護老人保健施設が約9%となっています。

特に近年では介護施設での看取り件数が増えてきており、
特別養護老人ホームや有料老人ホームを中心に、
老人保健施設やサービス付き高齢者向け住宅など、
最期の時を迎える場所の選択肢は広がりつつあります。

看取りができる介護施設

介護施設での看取りは、常勤看護師を一名以上配置するなど
介護保険法で定められている条件を満たしている施設に限られます。

主な施設としては、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホームなどが挙げられますが、
自立や在宅復帰を目的とした老人保健施設、自立した方向けのサービス付き高齢者向け住宅でも
看取りを行っている場合があります。

介護施設での看取り介護

看取り介護は、死期が近づいている方の身体的・精神的苦痛を緩和するケアを実施しつつ、
人としての尊厳を大切にしながら見守りを行います。
そのため、胃ろうや人工透析・点滴といった医療行為は行わず、
食事や排せつなど日常生活上のケアを中心に実施します。

また、死に直面する不安や恐怖を和らげるため、
こまめな声掛け・コミュニケーションなどのメンタルケアも行います。